Letter 哺乳類細胞におけるRNAを介した熱ショック応答 2006年3月23日 Nature 440, 7083 doi: 10.1038/nature04518 熱ショック転写因子1(HSF1)は、脊椎動物の熱ショック応答の際に熱ショックタンパク質(HSP)やほかの細胞防御タンパク質の発現を誘導するという重要な役割を果たしている。HSF1はストレスを受けていない細胞にも不活性な単量体として存在し、熱などのストレス刺激によって活性化される。HSF1の活性化では、三量体形成と部位特異的DNA結合活性の獲得が起こるが、これは特定のHSPとの結合によって負の調節を受ける。今回我々は、HSF1の熱ショックによる活性化が、リボ核タンパク質複合体がかかわる能動的な過程であることを明らかにする。この複合体には転写伸長因子eEF1Aとこれまで知られていなかった非コードRNAが含まれており、我々はこのRNAをHSR1(heat shock RNA-1)と名づけた。HSR1はヒトおよびマウスの細胞では構成的に発現しており、それらの相同体は機能的に互換性をもつ。in vitroでのHSF1活性化にはHSR1とeEF1Aが両方とも必要であり、HSR1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドや短鎖干渉(si)RNAは、in vivoで熱ショック応答を阻害して細胞を熱感受性にする。熱ショックの際にHSR1が中心的な役割を果たしていることから、このRNAを標的にすれば、がんや炎症など、HSF1の調節解除が関係する病気の新しい治療モデルになりうると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る