Letter セシウム超冷原子気体のエフィーモフ量子状態を示す証拠 2006年3月16日 Nature 440, 7082 doi: 10.1038/nature04626 相互作用する3粒子系の物理的ふるまいは複雑なことで悪名高い。少数体の量子物理の理論が大きく進展するきっかけとなったのは、共鳴的な2体相互作用をもつ3個の同一ボソン系に現れる普遍的な3量体束縛状態に関するエフィーモフ(Efimov)の予測である。常識とは異なり、この状態は類似の2体束縛状態がない場合でも存在できる。エフィーモフ問題は、35年前に原子核物理学で提唱されて以来、多くの物理学分野で大きな関心をよんできた。しかし、エフィーモフ量子状態の観察はなかなか成功しなかった。本論文で我々は、セシウム超冷原子気体でエフィーモフ共鳴を観察した結果を報告する。この共鳴は、3個の自由原子が結合してエフィーモフ3量体になるときに生じる、大きな負の2体散乱長領域で起こる。実験では、2体相互作用の強さを変化させたとき、巨大な3体再結合損失としてその特徴を観察できた。また、正の散乱長では再結合損失に極小を検出した。これは崩壊経路が破壊的に干渉することを示している。以上から、エフィーモフ物理の主な理論予測が確かめられた。この結果は、共鳴的に相互作用する少数体系の普遍的な性質を探索するときの出発点になる。フェッシュバッハ共鳴は2体レベルの量子力学的相互作用を制御する鍵となってきたが、エフィーモフ共鳴は超冷物質における少数体量子現象の世界へ道を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る