Article サルモネラ菌の頑強な代謝は新規抗生物質の可能性を制限する 2006年3月16日 Nature 440, 7082 doi: 10.1038/nature04616 感染症の防除のために、新しい抗生物質が緊急に必要とされている。代謝酵素はそうした抗生物質の有望な標的となりうるが、in vivoでの標的のバリデーションはほとんど行われていない。本論文では、サルモネラ菌(Salmonella enterica)が有する700以上の酵素に関するin vivoでの情報を、突然変異の表現型のネットワーク解析、ゲノム比較および感染マウスのサルモネラ菌プロテオームによって得た。これらの酵素のうち、400以上はサルモネラ菌毒性に必須ではなく、これは広範囲な代謝の重複と、極めて多様な宿主栄養素利用への適応を反映している。同定された必須酵素の大半は、代謝経路の小さなサブグループに関連しているため、ほぼ徹底したスクリーニングの実施が可能であった。サルモネラ菌に必須なものとして同定された64種の酵素は、ほかの重要なヒト病原体でも保存されているが、そのほとんどは、現在使用されている抗生物質によって阻害されるか、または以前に抗生物質の開発のために考慮されたことのある代謝経路に属するものである。したがって、包括的なin vivo 解析を用いた今回の結果は、広域スペクトル抗生物質に必要な代謝標的の不足を示しており、既知でありながら使われてこなかった標的に注意を向けるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る