Letter シリンゴマイシン生合成中の非ヘム鉄ハロゲナーゼSyrB2の結晶構造 2006年3月16日 Nature 440, 7082 doi: 10.1038/nature04544 非ヘムFe(II)/α-ケトグルタル酸(αKG)依存酵素は、αKGの還元力を使うことにより酸化反応(通常は不活性炭素のヒドロキシル化)を触媒しており、天然化合物の生合成、哺乳動物の低酸素応答、DNA修復といった過程にかかわっている。これらの酵素は、αKGの脱炭酸反応を、水素引き抜き化学種として働く高エネルギーフェリル-オキソ中間体の生成反応に結びつける。これまでに構造が調べられた単核鉄酵素はすべて、鉄に配位した2-His、1-カルボン酸モチーフを含んでいる。2個のヒスチジンと1個のカルボン酸は、「表面トライアード」(facial triad)として知られ、鉄の8面体配位の1つの三角形側面をなしている。単核鉄酵素のあるサブクラスは、より典型的なヒドロキシル化反応ではなくハロゲン化反応を触媒することが示されている。このサブクラスの一員であるSyrB2は非ヘムFe(II)/αKG依存ハロゲナーゼで、シリンゴマイシンEの生合成の際にトレオニンの塩素化を触媒する。今回我々は、塩化物イオンとαKGの両方が鉄イオンに配位したSyrB2の結晶構造を分解能1.6Åで報告する。この構造から、表面トライアードのカルボン酸リガンドが塩化物イオンで置換された形の、これまで知られていなかった鉄の配位が明らかとなった。 Full Text PDF 目次へ戻る