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ルシフェラーゼの生物発光におけるスペクトルの差異に関する構造的基盤

Nature 440, 7082 doi: 10.1038/nature04542

ホタルは黄緑色から黄橙色の明るい光を発することによって互いに通信し合う。ルシフェリン、Mg-ATPおよび分子状の酸素を用いて励起状態のオキシルシフェリンを生じる生物発光反応は、酵素であるルシフェラーゼによって触媒される。可視光は、励起状態のオキシルシフェリンが基底状態に緩和する間に放出される。ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応の高い量子収率、およびルシフェラーゼの構造のわずかな差異により発光色が変化することに対しては、多くの関心が寄せられてきた。 実際に、ルシフェラーゼのアミノ酸1残基を置換すると、発光色は黄緑色から赤色に変化する。北アメリカホタル(Photinus pyralis)由来のルシフェラーゼの結晶構造は既に報告されているが、生物発光色の変化 に関する詳細なメカニズムについては不明のままである。今回我々は、ゲンジボタル (Luciola cruciata)由来野生型ルシフェラーゼおよび赤色発光変異体(S286N)と高エネルギー中間体の類似体である5'-O-[N-(デヒドロルシフェリル)-スルファモイル]アデノシン(DLSA)との複合体の結晶構造を報告する。これらの構造を、AMPおよびオキシルシフェリン(産物)と複合体を作った野生型ルシフェラーゼの構造と比較すると、 野生型酵素には大きなコンホメーション変化がみられるが、赤色発光変異体ではこうした変化は認められない。このコンホメーション変化によって、疎水性残基であるイソロイシン288の側鎖がDLSAのベンゾチアゾール環のほうに移動する。我々の結果は、イソロイシン288の一時的な移動によって制御される励起状態のオキシルシフェリンの分子剛性の度合いによって発光反応の色が決定されることを示している。

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