Letter

地球:500万年前以降に起こったヒマラヤ西部の河川系の再構成

Nature 438, 7070 doi: 10.1038/nature04379

テクトニックな力によって駆動される山脈の隆起は、地域的な気候ばかりでなく地域的な流域パターンにも影響を及ぼすことがあり、さらにこうしたことは侵食によって生じた堆積物の海への流出を支配する。しかし、テクトニックな力、気候、および流域の進化の間に働く相互作用の性質については、論争が続いている。本論文では、アラビア海における掘削コア標品から得られた地震反射のデータとネオジミウム同位体のデータを用いて、過去3000万年にわたるインダス川からの侵食物の流出を再構成した。インダス川の堆積物の起源は、500万年前までは主としてインダス縫合帯の内部および北側における侵食によるものであったが、その後はインダス川が受け取るヒマラヤ起源の浸食生成物が増加し始めたことが見いだされた。侵食パターンのこの変化は、それ以前は東流してガンジス川に注いでいたパンジャブ地方の主要な河川が、流路を変えてインダス川へ流入するようになったことが原因であったと思われる。インダス・デルタから得られた地震反射断面は、1つには500万年前から後のインダス川への流入水の増加、1つには過去400万年にわたってモンスーンが強くなったために速くなった侵食によって、更新世に質量集積速度が増加したことを示唆している。今回得られたインダス・デルタにおける同位体の層序は、地質学的に近い過去においてヒマラヤ西部の河川系の縫合構造に大きな変化が生じていたことの強力な証拠となる。

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