Letter 生理:TRPM5の熱による活性化は甘味の温度感受性の根拠となる 2005年12月15日 Nature 438, 7070 doi: 10.1038/nature04248 TRPスーパーファミリーの陽イオンチャンネルであるTRPM5は、舌の味蕾において非常に発現量が多く、甘味、うまみおよび苦味の認知に重要な役割を担っている。TRPM5の活性化は、Gタンパク質共役型の味受容体活性化の下流で起こり、味受容体細胞において脱分極性電位を発生させると考えられている。それゆえTRPM5の活性を調節する因子は、味に影響を与えると予想される。本論文では、TRPM5は非常に温度感受性が高く、熱によって活性化されるチャンネルであることを示す。つまり、TRPM5の内向き電流は15〜35℃の温度で急激に増加する。TRPM5と近縁のホモログであるTRPM4は同様の温度感受性を示す。熱による活性化は、他の温度感受性TRPチャンネルと類似の、活性化曲線の温度依存的シフトによるものである。さらに我々は、15〜35℃の間で温度を上げると、野生型マウスにおいては甘い化合物に対する味覚神経応答が明らかに高まるが、Trpm5ノックアウトマウスにおいてはこうした応答が見られないことを示す。TRPM5の強力な温度感受性は、高温でより強く甘味を認知することや、「温度味覚(thermal taste)」、つまり舌を温めるあるいは冷やすことによって、味物質がなくても味の感覚を引き起こす現象などの、ヒトの味認知に対する既知の温度効果の根拠となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る