Letter 考古学:北ヨーロッパにおける人類の活動を示す最古の記録 2005年12月15日 Nature 438, 7070 doi: 10.1038/nature04227 初期人類のユーラシア大陸への移住は、初期人類がアフリカを出て拡散した後の重要な出来事である。しかし、北西ヨーロッパへの最初の人類移住の実態や時期、生態的な背景は定かではなく、盛んに議論されてきた。南コーカサス地方に人類が定住したのは約180万年前のことだが、スペインのアタプエルカ−TD6(78万年以上前)やイタリアのチェプラーノ(約80万年前)で見つかった人類遺骸化石は、初期のヒト属(Homo)がブリューネ−松山磁極逆転境界(78万年前)より前に地中海内陸地域に分散したことを示している。これまでのところ、北ヨーロッパで出土した最古の人工遺物として確実なものは上記の遺跡年代よりもはるかに新しく、そのため、人類は50万年前以降まで北方域に住み着くことができなかったとみられていた。今回我々は、英国サフォーク州ペイクフィールド(北緯52度)のクローマー森林層で、多様な動植物化石の出土する間氷期層序で見つかったフリント石器群について報告する。気候事変と岩相層序学、そして古地磁気学、アミノ酸地質年代学、生層序学からみると、この石器群はブリューネ正磁極期の前期(約70万年前)のものであり、したがってアルプス山脈以北に人類が存在したことを示す最古の明確な証拠となる。 Full Text PDF 目次へ戻る