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構造生物学:3.0Å分解能で決定された光化学系IIの構造における補因子配置の完全な解明の試み

Nature 438, 7070 doi: 10.1038/nature04224

植物、藻類およびシアノバクテリアの酸素発生型光合成は、光化学系IIで反応が開始される。複数サブユニットからなるタンパク質−補因子複合体のホモ二量体である光化学系IIは、チラコイド膜に埋め込まれている。光化学系IIは太陽光を捕捉してそのエネルギーを使い、光によって水を酸化して大気酸素にする独自の酸化反応を行う。シアノバクテリアの光化学系IIに関する結晶学的研究からは、中程度の分解能の構造(3.8 Åから3.2 Å)がいくつか得られており、これらの構造によってタンパク質と補因子の配置の概略が明らかにされたが、複合体の完全な構造はわかっていない。今回我々は、シアノバクテリアの光化学系IIの今までに得られた中で最も完全に近い構造について報告する。この構造は、モノマー当たり20個のタンパク質サブユニットと77個の補因子の配置と、それらの間の相互作用が明らかにしている。11個のβ-カロチンの位置が決められたことで、反応中心とアンテナサブユニットにおける電子とエネルギーの伝達機構、および光防護機構に関する手がかりが得られる。14個もの脂質が光化学系に不可分に結合していることは、光化学系II内部の柔軟性およびその機能にとって、これらの分子が構造的・機能的に重要であることを表している。光化学系IIから光合成電子伝達鎖へ酸化還元当量を伝達する二次電子受容体であるプラストキノンの拡散については、親油性の経路を経ると考えられる。今回の構造から、水の酸化が起こるMn4Caクラスターに関する情報が得られる。この研究は、光を化学エネルギーに変換するプロセスの解明に必要な、原子レベルに近い詳細な情報を明らかにしている。

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