Letter

生化学:タンパク質の凝集と進化における配列多様性の重要性

Nature 438, 7069 doi: 10.1038/nature04195

タンパク質の誤った折り畳みは凝集やアミロイド形成を引き起こし、アルツハイマー病や遅発性糖尿病などといった深刻な消耗性疾患に結びつく。生体システムでは通常、タンパク質の望ましくない結合の形成がどのような仕組みで防がれているのかは、多ドメインタンパク質の進化との関連で特に重要である。多ドメインタンパク質は真核生物のタンパク質の70%以上を占めており、各ドメイン周辺の局所的なタンパク質の実質濃度は極めて高くなっている。本論文では、免疫グロブリンドメインからなる多ドメインタンパク質の凝集を速度論的に解析し、異なる相同ドメインの凝集形成能力について論じる。これらのタンパク質の凝集は特異的過程で、異なるドメインによる共凝集の効率は、配列の同一性が下がるにつれて著しく低下する。すなわち、配列の同一性が70%程度を超える免疫グロブリンドメインは非常に共凝集しやすいが、30〜40%以下の場合は共凝集は検出されない。大型の多ドメインタンパク質の連続性を持つ相同ドメインをバイオインフォマティクス的に解析した結果、これらのドメインはほとんど例外なく配列同一性が40%未満、すなわち共凝集が効率よく起こる限界値以下であった。このような配列同一性の低さが、タンパク質の誤った折り畳みと凝集を防ぐ上で、重要かつ一般的な安全装置として働いている可能性が考えられる。

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