Letter 発生:カゼインキナーゼ1γはWnt受容体の活性化と細胞質シグナル伝達を結びつける 2005年12月8日 Nature 438, 7069 doi: 10.1038/nature04170 Wntタンパク質(ショウジョウバエではWingless)によるシグナル伝達は、胚発生時に、また成体においても多様な役割を担っており、癌などのヒトの疾患へのかかわりも示されている。後生動物では、LDL受容体関連タンパク質5と6(LRP5とLRP6; ショウジョウバエではArrow)は、Wnt/β-カテニン経路のシグナル伝達に必要とされる重要な受容体である。Wntシグナル経路におけるこれらの受容体の役割はよく調べられているが、これらと直接結びつく細胞質のシグナル伝達装置についてはほとんどわかっていない。LRP6の制御因子を探索するためのタンパク質修飾スクリーニングによって、我々はアフリカツメガエル(Xenopus)のCK1ファミリーに属する膜結合タンパク質であるカゼインキナーゼ1γ(CK1γ)を同定した。機能獲得および機能喪失実験では、CK1γが脊椎動物とショウジョウバエの細胞の両方で、LRP6シグナルの伝達に必要かつ十分であることが明らかになった。アフリカツメガエル胚では、CK1γは前後軸のパターン形成において後方化を誘導するWnt/β-カテニンシグナル伝達の促進に必要とされる。 CK1γはLRP6と結合し、LRP6にはCK1によってリン酸化される複数の部位があって、これらはモジュールのように独立している。Wnt処理はLRP6のこれらの部位のCK1γを介した急速なリン酸化を引き起こし、このリン酸化が次に足場タンパク質であるAxinの移動・集合を促進する。我々の結果は、Wnt受容体の活性化と細胞質のシグナル伝達装置を結びつける、進化的に保存された機構を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る