Review Article 宇宙:ホイヘンス突入機のタイタン表面へ降下中の降雨、風、およびもや 2005年12月8日 Nature 438, 7069 doi: 10.1038/nature04126 タイタンの成層圏における、メタンから高級炭化水素への不可逆反応は、地表面もしくは表面下のメタン貯蔵場所の存在を示唆している。カッシーニ周回機に搭載されたカメラからの最近の観測では、大域的な貯蔵場所は発見できなかったが、タイタン大気中のメタンとスモッグが表面の炭化水素の探査を妨げている。本論文では、ホイヘンス突入機の降下カメラ/スペクトル放射計によって得られたタイタンの大気のスペクトルと高解像度画像について報告する。これらの画像には、タイタン表面に液体状の炭化水素が溜まっている状態は示されていないが、かつて液体が流れた痕跡が明らかになった。意外にも地球に似た、より明るい高地領域から平坦な暗い低地へ向かって複雑な系が流出しているのがわかる。着陸後に撮影された画像は、干上がった河床のものである。表面について測定された赤外線反射スペクトルは、太陽系のどの天体とも異なる。可視領域には波長に対して増加するスロープ(レッドスロープ)があり、これはソリンのような有機物質と矛盾しない。また水氷からの吸収も見られる。しかし、近赤外領域における減少するスロープ(ブルースロープ)は、他の未知の成分の存在を示唆している。もや粒子の数密度は、高度150 kmから表面までの間にわずか数倍増加するだけで、圏界面より下に澄んだ空間はない。表面付近のメタンの相対湿度は、50パーセントである。 Full Text PDF 目次へ戻る