Letter 海洋:大西洋の南北方向の鉛直循環が北緯25度で減速している 2005年12月1日 Nature 438, 7068 doi: 10.1038/nature04385 大西洋の南北方向の鉛直循環は、暖かい表層水を極北の高緯度水域へ運び、冷たい深層水を赤道を越えて南に戻す。その熱輸送は海洋域および大陸域のヨーロッパの温和な気候の形成に大きく寄与し、鉛直循環の減速が起これば、気候変動に深刻な影響を与えるであろう。北緯25度に沿って大西洋を横断する断面は、鉛直循環およびそれに伴う熱輸送を推定するための定線として用いられてきた。本論文では、新しい北緯25度大西洋横断面を解析し、それを過去50年の間に観測された4つのこれまでの断面と比較する。この比較から、大西洋の南北方向の鉛直循環は、1957年と2004年の間に約30%減速していると考えられる。北緯25度を横切る湾流の北への輸送量がほぼ一定の状態に保たれてきたのに対して、大洋中心部で南へ向かう温度躍層水の再循環量が50%増加し、水深3,000 mと5,000 mの間で北大西洋深層水の下層水の南への輸送量が50%減少していることから、減速は明らかである。2004年には、亜熱帯環流内部の温度躍層中では湾流の北に向かう流れの中で再循環して南へ戻っていく量が増加し、深部では南へ帰っていく量が減少している。 Full Text PDF 目次へ戻る