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脳:マウスの不安を調節するグリオキサラーゼ1とグルタチオンレダクターゼ1

Nature 438, 7068 doi: 10.1038/nature04250

不安や恐怖は、脅迫的状況に対する正常な情動反応である。パニック障害、強迫神経症、心的外傷後ストレス障害、社会恐怖や他の特定対象への恐怖、不特定対象への不安障害などのようなヒトの不安障害では、この情動反応が異常に強調されて表れる。正常および病的な不安の調節にかかわる分子機構は、ほとんどわかっていない。しかし、いくつかの異なる近交系マウスの系統が入手可能で、それらを特定の行動表現型の遺伝を研究するための優れたモデル系として利用できる。今回、6つの近交系マウスの行動解析と、複数の脳領域についての定量的遺伝子発現プロファイリングとを組み合わせることで、不安に類似した行動表現型と相関した発現パターンを示す17個の遺伝子を同定した。そのうちの2つの遺伝子、グリオキサラーゼ1とグルタチオンレダクターゼ1が、不安の発生に因果的な役割をもつかどうかを調べるため、レンチウイルスを使った遺伝子導入により遺伝子操作を行った。これらの遺伝子をマウス脳で局所的に過剰発現させたところ、不安類似の行動が増加した。また、RNA干渉法でグリオキサラーゼ1の発現を局所的に阻害したところ、不安類似行動が減少した。これらの遺伝子は酸化ストレス代謝に関与しており、したがってこの代謝経路を不安関連行動と結びつけることができる。

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