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疫学:マラリアを媒介する蚊は少数の人を集中的に刺す

Nature 438, 7067 doi: 10.1038/nature04024

アフリカ諸国ではマラリアが人々の間を均一に広がっていくわけではないことを、今週号掲載の数理解析研究が明らかにしている。マラリア感染のリスクは誰でも等しいわけではなく、感染を起こす蚊に刺された刺咬総数の約80%が人口のおよそ20%に集中しているというのだ。したがって、最もよく刺されるこれらの人々を重点対象とすれば、マラリア対策の効果を最大限にする助けになるかもしれない。
 D Smithたちは、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に感染した人々の割合を示す「原虫感染率」と、感染力のある蚊に刺された人々の割合を示す「蚊による原虫注入率」との関係を解明しようと試みた。アフリカのおよそ90の村でこれまで集められたデータを解析したところ、この相関関係は大きく歪んでおり、比較的少数の人々に感染例の大部分が集中していることがわかった。
 今回の研究結果から、マラリアの発作を1回起こしただけでは免疫を得るのに不十分であって、マラリアに対する免疫が生じるには小児期に何度も感染することが必要なことも明らかになった。こうした理由や、原虫感染率と蚊による原虫注入率の間の相関関係の歪度が高いため、感染を起こす刺咬の率が半減しても、感染者は4%しか減少しない。しかしSmithたちは、原虫を保有した蚊に刺されるリスクの高い人々を特定することで、公衆衛生策をどこに向けるのが一番よいのかを知ることができるだろうと付け加えている。

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