Letter

地球:地磁気地電流法データから推測したヒマラヤとチベット南部の地殻流動特性

Nature 438, 7064 doi: 10.1038/nature04154

新生代に起きたインド大陸とアジア大陸の衝突は今から約7000万年前に始まり、チベット高原を形成した。この時以来、インド・リソスフェアとアジア・リソスフェアの逆断層化、地殻の短縮、水平方向への押し出しと、リソスフェアの薄層化の組み合わせによって、少なくとも1400 kmに及ぶ収束が起きた。ヒマラヤ山脈に露出した岩石には地殻の融解の痕跡が見られ、急速な浸食と気候により強制された地殻の流動によって露出したと考えられている。地磁気地電流法のデータを使えば地下の電気抵抗率構造を求めることができるが、このパラメーターは、母岩基質中で相互に連結した流体が存在すると、たとえ体積分率が小さくても敏感に反応する。本論文では、東経77°から92°までのチベット−ヒマラヤ造山帯で得られた地磁気地電流法のデータを示す。このデータから、部分溶融した層と解釈される電気抵抗率の低い値が、チベット高原の南縁の少なくとも1000 kmにわたって存在することが明らかになった。この層は粘性率が低いと推測されているが、これはチベット南部の気候により強制された地殻流動の発達と矛盾しない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度