Letter 細胞:海洋ウイルスの光合成遺伝子は宿主感染時にタンパク質を生成する 2005年11月3日 Nature 438, 7064 doi: 10.1038/nature04111 藍藻類、およびそれに感染するウイルス(ファージ)は、海洋の「遺伝子プール」への寄与度が高い。この遺伝子プールは動的なものであり、宿主とファージ間での遺伝物質の移動が双方の遺伝的および機能的な多様性におそらく影響を与えていると考えられる。例えば、海洋生態系で数的に最も多い光合成生物ProchlorococcusやSynechococcusに感染するファージからは、藍藻由来の光合成遺伝子が発見されている。こうした遺伝子には、光化学系II反応中心コアタンパク質D1をコードするpsbAやhigh-light-inducible(hli)遺伝子がある。本論文では、ファージのpsbAおよびhli遺伝子がProchlorococcus感染中に発現してファージに不可欠なキャプシド遺伝子と同時転写されること、またファージのD1タンパク質の量が感染期間を通じて増加し続けることを示す。また、感染中には宿主の光合成遺伝子の発現量が低下し、ファージゲノムの複製が光合成機能の1つとなることもわかった。したがって、ファージ遺伝子は光合成において機能していると考えられ、これらの遺伝子が宿主による光合成関連タンパク質の生産を補うことによってファージの適応度を高めているらしい。 Full Text PDF 目次へ戻る