Letter

気候:過去116,000年間を通じて太陽放射が引き起こしたブラジル亜熱帯域の大気循環の変化

Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03365

気候データの資料記録に認められる北半球の高緯度から熱帯に至る最終氷期の主要な気候シグナルは、いわゆる「ダンスガード・オシュガー」周期という数千年スケールの大規模な温度振動であった。しかし、このような急激な気候変化の影響が、主に太陽放射の変化が直接的な気候強制力であるとされている南半球の熱帯や亜熱帯にまで及んでいたかどうかは未解決のままだった。今回我々は、ウラン・トリウム法により年代測定されたブラジル南部の亜熱帯域産の石筍を処理して得られた、過去116,200年間にわたる高分解能の酸素同位体記録を示す。酸素同位体記録の特徴は産出地域の変化やその地域の降雨量によって異なっており、したがって南米の大気循環の変化や対流活動の強さの変化の記録となる。降雨をもたらす地域や降雨量におけるこうした変化は、主として歳差周期に支配される夏季の太陽放射によってもたらされていることが見出された。今回調査した記録からダンスガード・オシュガー周期が検出できたことで、この現象は熱帯の水循環にも影響を及ぼすこと、しかし数千年スケールの気候変化はブラジル南部の亜熱帯域では北半球ほど支配的ではないことが確かめられた。

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