Letter

物理:単泡性キャビテーション中のプラズマ形成と温度測定

Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03361

単泡性ソノルミネッセンス(SBSL)は、気泡が圧縮されるとき実現する極めて高い温度と圧力から発生する。計算では、熱く、光学的に不透明なプラズマコアが存在し、これから制動放射が生じると予言されている。最近、音響キャビテーション中、重水素−重水素核融合から生じる中性子を観測したとの報告があり、議論を呼び起こしている。しかし、単泡性あるいは多泡性ソノルミネッセンス中、プラズマが存在することを示す確固たる実験証拠は今まで得られていない。SBSLでは、通常、特徴がない発光スペクトルが生じるので、このスペクトルからは、キャビティ内の物理条件、あるいは化学過程に関する情報がほとんど得られない。本論文では、高濃度H2SO4水溶液から生じたSBSLスペクトルに原子(Ar)発光、そして分子(SO)とイオン(O2+)の強い発光系列を観察した結果を報告する。ArとSOいずれの発光でも、他の発光体による多泡性ソノルミネッセンスで行われたのと同様に、分光法による温度決定が可能である。ArとO2+両方で観察した発光性の励起状態はどのような熱過程でも説明できない。発光に寄与するAr励起状態は極めてエネルギーが高く(>13 eV)、測定したAr発光温度(4,000〜15,000 K)では熱分布による占有は不可能である。O2のイオン化エネルギーはその結合解離エネルギーの2倍以上であり、O2+も同様に熱的に生成されたとは考えられない。したがって、これらの発光種は、熱いプラズマコアから発生した高エネルギー電子、イオンあるいは粒子との衝突で生じると結論される。

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