Letter 代謝:栄養素はPGC-1α・SIRT1複合体を介してグルコース恒常性を調節する 2005年3月3日 Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03354 哺乳類では恒常性機構がホルモンや栄養素に反応して血糖値を狭い範囲内に維持している。カロリー制限はグルコース代謝に多くの変化をもたらし、寿命を延ばすが、この代謝が加齢の過程にどう関連しているのかについてはほとんど不明である。今回我々は、Sir2のホモログで、いくつかの種で老化を調節しているSIRT1が、転写因子コアクチベーターであるPGC-1αを介して、絶食のシグナルに応答して肝臓で糖新生/解糖系経路を制御していることを示す。ピルビン酸による栄養素のシグナル伝達反応は、絶食時に肝臓でSIRT1タンパクを誘導する。いったん誘導されると、SIRT1はPGC-1αと相互作用し、NAD+依存的にPGC-1αを特定のリジン残基において脱アセチル化することがわかった。SIRT1は、PGC-1αを介して糖新生遺伝子を誘導し肝糖放出を増加させるが、ミトコンドリア遺伝子に対するPGC-1α作用は調節しない。さらに、SIRT1は、絶食やピルビン酸に応答して、PGC-1αの解糖系遺伝子の抑制を調節する。以上のことから、SIRT1がグルコース恒常性においてPGC-1αの調節因子として機能しているという分子機序が明らかになった。これらの所見はエネルギー恒常性、糖尿病および寿命の基礎的な経路と深く関わるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る