Letter 進化:野生シチメンチョウの血縁選択と共同求愛行動 2005年3月3日 Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03325 雄が雌をひきつけるために協力して求愛ディスプレーを行う少数の鳥類種では、1羽の雄がほとんどすべての交尾を独占する。これから導かれる疑問は、劣位の雄には目に見えるような繁殖上の利得がないのに、なぜ協力するのかということだ。個体は血縁個体を手助けすることで間接的に利得を得られるとするハミルトンの血縁選択説は、一見すると利他的に見えるシステムを理解するための大きな突破口となった。しかし、共同求愛行動における血縁選択を直接検証した唯一の研究では、協力個体間に血縁関係がなかったため、協力関係の進化を説明づける説として血縁選択の評価は下がってしまった。今回私は、血縁度と繁殖成功度とを遺伝学的に測定し、野生シチメンチョウの共同求愛行動の進化を血縁選択によって説明できることを示す。劣位(ヘルパー)の雄は自身の子をつくらないが、ハミルトンの法則によって算定されるその間接的な適応度は、ヘルパー行動のコストを相殺して余りある。この結果は、これまで議論に決着がつかなかった血縁選択の典型例の正当性を実証し、なおかつ繁殖しない雄が血縁選択により得る利得を定量化することによって、鳥類のレック(集団求愛場)にいる雄同士の血縁度に関する最近の諸知見を拡張するものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る