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医学:軸索性ニューロパシー1型をともなう脊髄小脳失調に見られるDNA一本鎖切断修復の異常

Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03314

軸索性ニューロパシー1型をともなう脊髄小脳失調(SCAN1)は、チロシルホスホヂエステラーゼ1(TDP1)の変異が原因で起こる神経変性疾患である。下等真核生物では、増殖中の細胞で複製フォークがトポイソメラーゼ1(top1)切断複合体と衝突してできた二本鎖切断を修復する際に、Tdp1がDNA末端からtop1ペプチドを除去する。TDP1もヒト細胞で同様の機能を果たしている可能性が非常に高いが、この役割では、有糸分裂後のニューロンの進行性変性をともなうSCAN1の臨床的表現型を説明できるとは考えにくい。また、この下等動物での機能は余分であり、Tdp1の変異だけでは表現型にはほとんど影響がない。さらに、DNA複製の際の二本鎖切断の処理や防止に異常があると、遺伝的安定性の低下や、癌につながる可能性が非常に高いが、SCAN1ではこのような表現型は見られない。今回我々はヒト細胞で、DNA複製とは無関係にtop1の機能不全や酸化的ストレスが原因で生じた染色体の一本鎖切断の修復にTDP1が必要なことを明らかにする。TDP1はDNAリガーゼIIIαと直接結合することによって一本鎖切断修復(SSBR)複合体という多タンパク複合体へと取り込まれており、SCAN1細胞ではこの複合体が触媒としての活性を失っていることを報告する。これらのデータから、神経変性疾患におけるSSBRの異常が明らかになり、有糸分裂後のニューロンにおける遺伝的完全性の維持にこの過程がかかわっていることが示された。

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