Letter 生態:分断色と背景パターンとの適合 2005年3月3日 Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03312 効果的にカムフラージュした対象物は、背景にある関連性のない物体から見分けられなくなる。相互関係はあるが理論的には別々の2つのカモフラージュ機構が、背景パターンとの適合(隠ぺい色)と分断色である。前者の場合、動物は背景の色を任意に取り出して身にまとうが、後者の場合は動物が体色にコントラストの強い色を組み合わせることで体の輪郭をとらえにくくする。分断色は、一部の動物が一見派手な色彩をまとっていることの説明づけとしてずっと以前から提案されており、一般的な教科書にも載せられている。意外にも、この説を定量的に検証した例は1件しかなく、またヒト以外の捕食者に対するその有効性を実験で調べた例も1件のみである。今回我々は、2つの重要な予測について検証した。つまり、体の輪郭部分に模様があれば隠ぺい効果を高めるのに特に有効なはずだとする予測と、組み合わせる色のコントラストが強ければこの分断色効果が高まるはずだとする予測である。我々はガに似せた人工の獲物を作り、野外で鳥類に捕食させた。この偽物のガの翅部分には実験用の色彩パターンをつけ、鳥に食べられる胴体部分には死んだゴミムシダマシの幼虫を使った。生存率解析によって2つの予測が裏づけられ、分断色は背景パターンとの適合という戦略を上回るほど有効なカムフラージュ手段の1つであることが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る