Letter 視覚:画像の分割と明度の知覚 2005年3月3日 Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03271 表面反射度(明度)の知覚は、視覚認識の最も基本的な局面の1つである。対象の見かけの明度が、その周囲の状況によって変わることはよく知られているが、その知覚明度の基盤となる演算や表現に関しては、議論がまだ続いている。1つの見解では、視覚系は対象表面の反射率を、広範囲に拡がる照明とその場の環境条件から明らかに区別して、多層的な画像表現を創り出していると主張する。しかし、最近のいくつかの理論はこの見解に疑問を投じ、ヒトの視覚系は画像を複数の層にはっきり分割することなく表面の明度を導出していると主張している。今回我々が示すのは、既報のいずれの錯視よりも大きな新しい明度錯視で、これは明度知覚が多層的画像表現によるならば持つはずの効果を、明確にあらわしている。透視可能な条件下で対象の輝度を複数の層に分解している脳内演算は劇的な明度錯視を引き起こすことがあり、その結果同一のテキスチャーを持った区画が黒く見えたり白く見えたりする。この結果は、画像を多層的な表現に分解するのに関与している機構が表面明度の知覚に決定的な役割を果たすことを示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る