Letter

地球:大洋中央海嶺のコールドスポットにおける水に富んだ玄武岩

Nature 434, 7029 doi: 10.1038/nature03264

海洋下の上部マントルには水はごく微量しか存在していないが、マントルの粘性、溶融、そして大洋中央海嶺における地殻の生成に重要な役割を果たしていると考えられている。海洋性玄武岩中の水の濃度は、ホットスポット近傍で採取され「濡れた」マントルプリュームにより生成される水を多く含んだ玄武岩を除けば、0.2 wt%以下にとどまることが観測されている。しかし、赤道大西洋の大洋中央海嶺系にある温度の低い領域から得られた玄武岩質ガラスが異常に高い含水量を示すことを本論文では報告する。溶融の程度の小さいマントルによって生成されるため、この玄武岩はナトリウムを多く含んでおり、また重い希土類元素に対する軽い希土類元素の比が異常に高く、溶融した領域にザクロ石が存在したことを示唆している。そのような最低温度領域から得られた水に富む玄武岩は、マントルの深さ60 km以深の「濡れた」溶融の程度が小さい領域が起源であり、より浅部での「乾いた」溶融により生成された溶融体による希釈をあまり受けていないと推測され、この見方は数値モデリングによって支持されている。したがって、海洋性玄武岩はホットスポット近傍ばかりでなく、「コールドスポット」においても水に富んでいると結論づけられる。

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