Letter 化学:量子化学計算によるとウラン分子U2は五重結合を持つ 2005年2月24日 Nature 433, 7028 doi: 10.1038/nature03249 共有結合は通常、ルイス理論によって記述される。すなわち、2個の原子の間で共有される電子対が1個の完全な結合を作る。元々は水素分子の原子価結合による記述から始まったが、その後、量子化学の研究者によって、周期律表すべての原子に対して化学結合の基本的な性質が詳しく研究され、大部分の分子が実際に各結合当たり1個の電子対によってつながっていることが確かめられた。しかし、結合形成に多数の原子軌道が加わると、もっと複雑な結合特性が生じる。そのような傾向は遷移金属でよく見られる。重アクチニド元素が関係すれば、金属−金属結合はさらに複雑になる可能性がある。現在まで、アクチニド‐アクチニド結合を示す証拠は、H2U‐UH2を含む水素化ウランのマトリックス分離、そしてウラン分子U2の気相での検出や予備的な理論研究でしか得られていなかった。本論文では、U2に関する量子化学計算の結果を報告し、U2結合の強さは他の遷移金属間の多重結合の場合とほぼ同じだが、その結合形式が特異なことを示す。この分子は3個の電子対結合と4個の1電子結合(すなわち、五重結合に相当する10個の結合性電子)、そして各々U原子上に局在する2個の強磁性結合した電子を含み、したがって知られているすべての種類の共有結合が関与していることを見出した。 Full Text PDF 目次へ戻る