Letter 視覚:霊長類網膜中のメラノプシン発現神経節細胞は色と照度をシグナルとしてLGNに投射する 2005年2月17日 Nature 433, 7027 doi: 10.1038/nature03387 ヒトの視覚は、薄明下では桿体視細胞の、昼光下では短(S)、中(M)、長(L)波長光感受性錐体視細胞の活性化で始まる。最近、夜行性齧歯類に一群の網膜神経節細胞から起こる非桿体・非錐体性の平行的光受容経路があることが見出された。この神経節細胞は、おそらく光色素と考えられるメラノプシンを発現しており、光強度の全体的変化をシグナル化することで、概日リズムの光同調や瞳孔調節などの無意識的な非結像性の機能を果たしているらしい。本報告では、霊長類網膜で解剖学的に区別できる「巨大」メラノプシン発現神経節細胞が内在性の光感受性をもつだけでなく、桿体と錐体によって強く活性化され、珍しいS-オフ(L+M)オン型の反対色受容野を示すことを明らかにする。内在性反応と桿体反応、(L+M)錐体反応はこの巨大細胞中で結合し、ヒト視覚の全ダイナミックレンジにわたる照度シグナルを送る。錐体由来の反対色性と同様、巨大細胞は第一次視覚野への視床中継部位である外側膝状体核に投射する。したがって、昼行性の三色型色覚を持つ霊長類では、非結像性と通常の結像性の網膜経路は合流しており、メラノプシンに由来するシグナルは意識的な視覚認知にも寄与しているかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る