Article 脳:単一細胞レベルの分解能を持つ機能イメージングで明らかになった視覚皮質の精密な微小構築 2005年2月10日 Nature 433, 7026 doi: 10.1038/nature03274 大脳皮質のニューロンは、表面から白質に向かって並んだ細胞集団である解剖学的円柱構造で構成されている。一つの円柱内のニューロンは、たとえば刺激画像の傾き選択性などの同じ機能的性質を持ち、異なる傾き選択性を示すなどの性質の異なる円柱がタイルのように規則正しい並ぶことで皮質表面を埋めている。この機能的構成は、微小電極記録による比較的まばらなサンプリングから発見されたものである。膜電位や代謝活性の光学的イメージングにより機能地図の広範囲の配置図も描かれているが、これも多数の細胞にわたる平均である(分解能は100μm以下)。したがって、機能的ドメインの純度やドメイン間の境界部分の正確な様子はまだ明らかではない。今回、in vivoで、カルシウム感受性色素により視覚皮質の数千個のニューロンを標識し、ニューロン集団の活動を二光子顕微鏡で深さ400μmまで単一細胞レベルの分解能で画像化した。その結果、ラット一次視覚野では、個々のニューロンの傾き選択性は強く保たれていたが、局所構造はそれほど明確ではなく、隣り合う細胞が異なる傾き選択性を示すこともしばしば見られた。ネコ視覚皮質の18野では、機能地図は細かく組織化されていた。すなわち、刺激傾き特性の正反対なニューロンの住み分けは三次元的に非常に厳密で、境界部分は細胞1個ないし2個程度だった。これらの結果は、皮質の機能地図が細胞1個レベルの精密さで構築されていることを示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る