Letter 発生:出生後のisl1+心臓芽細胞は完全に分化した心筋細胞系列に入る 2005年2月10日 Nature 433, 7026 doi: 10.1038/nature03215 生得的な心臓前駆細胞の精製、再生、分化ができれば、心臓の細胞系列の形成過程を解明し、この形成過程と先天性心疾患、成人の心疾患との関係を明らかにする機械論的基盤が得られるだろう。しかしこれまでのところ、出生後の心臓に生得的な心臓前駆細胞が存在する証拠はほとんど得られていなかった。本論文では、出生後のラット、マウス、ヒトの心筋において、isl1+心臓前駆細胞を同定したことを報告する。単離したこの前駆細胞は、心臓間葉の支持細胞層があると完全に分化して、心筋細胞の表現型を獲得する能力を維持したまま自己複製ができる。タモキシフェン誘導性Cre/lox法によれば、この前駆細胞集団とその子孫を含めて特定の時点で選択的に標識して、ほぼ均一にまで精製できる。新生児の筋細胞との共培養の結果、isl1+細胞は成熟した心臓細胞の表現型を示すように非常によく転換を遂げる真正の内在性心臓前駆細胞(心臓芽細胞)で、細胞融合しなくても筋細胞マーカーの安定した発現を示し(25%)、完全なCa2+循環と、活動電位の発生がみられることがわかった。今回、生得的な心臓芽細胞が発見されたことで、発生や病気の際に起きる心臓細胞系列の形成や成熟の過程を解明するための遺伝学に基づくシステムが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る