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地球:地球上のケイ素循環におけるもう1つの大陸貯蔵庫

Nature 433, 7024 doi: 10.1038/nature03217

ケイ素は地球上で2番目に存在量の多い元素である。ケイ素は植物プランクトンにとって重要な栄養素であり、陸上の植物により容易に吸収される。また、ケイ酸塩の風化によって大気からの二酸化炭素除去を促進する。しかし、大陸におけるケイ素循環はよく分かっておらず、ケイ素の安定同位体(28Si、29Si、30Si)を使って大陸のケイ素貯蔵庫の定量化を試みた研究もわずかしかない。海や川の水に溶けたケイ素は同位体値の平均が +1.1‰の貯蔵庫を形成する。これは、同位体値の平均が -0.3‰である火成岩の貯蔵庫と比べると30Siが濃縮している。このような濃縮は風化の際のより大きい分別によってのみ形成されうるもので、大陸では30Siが枯渇した貯蔵庫の形成という結果をもたらす。しかしながら、そのような貯蔵庫はこれまで同定されたことはなかった。本論文では、次世代二次イオン質量分析計を用いて、フランスの砂岩系列から得られた石英に含まれるケイ素同位体のin situ解析を行った。その結果、ケイ質セメントとして沈殿した石英は、同位体値がこれまで公表されたどの陸上の試料よりも小さい -5.7‰にまで減った30Siの枯渇した貯蔵庫を形成することがわかった。この結果は、石英の再沈殿がケイ素の生物地球化学的循環に重要な役割を果たすことを示唆している。

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