Letter

物理:全シリコン・ラマンレーザー

Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03273

シリコンでの光の発生や増幅の可能性は、安価な一体型光集積素子を可能にするシリコン光エレクトロニクスに向けて多くの研究がなされてきた。間接的バンドギャップのため、バルクのシリコンはバンド間の電子−正孔再結合による発光効率が極めて悪い。そのため、シリコン中の発光は、シリコンを加工した材料、例えばナノ結晶、Si/SiO2超格子、エルビウムをドープしたシリコンを多く含む酸化物、表面処理をしたバルクのシリコン、Si/SiGe量子カスケード構造体などに限られていた。最近、誘導ラマン散乱(SRS)が平面シリコン導波体の中で光学的利得を生み出すことが分かった。実際、センチメートル大のシリコン導波体中でパルス状のポンピングを用い、SRSによる2〜11デシベルの光学的利得を得た実験が報告されている。同じく最近、シリコンを利得媒質としてSRSの方法によるレーザー発振の実験が報告された。この実験では、長さ8メートルの光ファイバーリング共振器が用いられている。我々は今回、単一のシリコンチップ上のコンパクトな全シリコン導波路共振器で、ラマンレーザーの発振を確認したことを報告する。この実験は、実用的な連続波光増幅器やレーザーを、CMOSと整合するシリコンチップの上に他の光エレクトロニクス部品と一緒に集積するための重要な一歩である。

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