Letter

生理:周期的に収縮する昆虫の飛翔筋のin vivoでの分子動態

Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03230

動物界の生物種で最大のグループである昆虫は、胸部にある特殊化した筋肉を飛翔の動力源にしている。ほとんどの昆虫の場合、各収縮の引き金となるのは運動ニューロンのスパイクではなく、拮抗筋が引き起こす力学的伸展である。「伸展による活性化」とその逆の現象である「短縮による不活性化」は、程度の差はあれあらゆる横紋筋に見られるが、昆虫の間接飛翔筋ではこれらはどちらも特に顕著である。本論文では、シンクロトロンによるX線小角回折を利用して、飛翔中の生きているショウジョウバエで太いフィラメント構造とアクチン−ミオシン相互作用の変化を調べたので、それを報告する。安定した飛翔行動を行わせて、5ミリ秒という羽ばたき周期内の特定の位相における画像を捉えることができるよう、ショウジョウバエをビジュアル・フライト・シミュレータの中につないで実験した。625μ秒毎に340μ秒間画像を記録し、8フレームの回折像の動画を作成した。各フレームは、収縮装置の瞬間構造を示している。このように時間分解測定した分子レベルでの構造は、短い周期で強い力を生み出す昆虫飛翔筋の独特な能力の解明につながる重要な知見である。

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