Letter 進化:進化の動態をグラフで表す 2005年1月20日 Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03204 進化の動態は従来、均一な個体群もしくは空間的広がりをもつ個体群の状況にある場合について研究されてきた。今回我々は、グラフ上に個体を配置することで個体群構造を一般化した。それぞれの頂点は各個体を表す。重みづけした辺で繁殖率を表し、これで個体が近接する頂点に子を置く頻度が決まる。モラン過程で記述される均一な個体群は、等しく重みづけした辺をもつ完全に連結したグラフで、特殊な例である。空間構造は、頂点が最も近い隣の頂点と連結されたグラフで記述される。我々はまた、ランダムネットワークとスケールフリーネットワークで進化を探った。変異体の固定の確率を決定し、固定の挙動が均一な個体群の場合と同一であるようなグラフの特徴づけを行った。加えて、グラフの中には選択の抑制因子として作用するものもあれば増幅因子として作用するものもあった。生き残りに有利な変異体なら確実に固定するようなグラフを見つけ出すことさえもできた。また、頻度依存性の選択を調べ、進化ゲームの結果が、その基盤となるグラフの構造に完全に依存しうることも示す。進化のグラフ理論は、生態学から多細胞の組織化や経済学まで幅広く応用できる魅力をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る