Article 細胞:癌原遺伝子Pokemonが細胞の形質転換とARFの抑制に果たす役割 2005年1月20日 Nature 433, 7023 doi: 10.1038/nature03203 クロマチンリモデリングやヒストン脱アセチル化を介した転写の異常な抑制は、腫瘍形成の原動力の1つになっていると考えられている。それは、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が癌治療に有効であることがわかったためだが、転写抑制の解除を腫瘍の抑制に結びつける分子機構はほとんど解明されていない。今回我々は、発癌に不可欠な因子として、転写抑制因子Pokemon(Zbtb7遺伝子がコードする)を同定した。Zbtb7をもたないマウス胚性繊維芽細胞は、癌遺伝子の働きによる形質転換を全く起こさなくなる。逆に、in vitroでも、トランスジェニックマウスではin vivoでも、Pokemonを過剰に発現させると、明らかな発癌性形質転換が起こる。Pokemonは、癌抑制遺伝子ARFに直接結合することによって、その転写を特異的に抑制できる。Pokemonはヒトの癌で異常に高いレベルで発現されていて、その発現レベルから、生物学的挙動や臨床転帰が予測できることがわかった。Pokemonは、細胞の形質転換に重要な役割を果たしていることから、癌の治療の標的として有望である。 Full Text PDF 目次へ戻る