Letter 気候:2003年のヨーロッパの熱波に対する人間活動の寄与 2004年12月2日 Nature 432, 7017 doi: 10.1038/nature03089 2003年の夏は、ヨーロッパでは、おそらく西暦1500年以来の最も暑い夏であり、フランス、ドイツ、イタリアでは、暑さによる異常に多数の死者が報告された。この種の天候事象のほとんどは外的な変化を受けない通常の気候においても偶然に起こり得たであろうから、2003年の熱波が単純に決定論的な意味で気候に対する外的な影響の変化、例えば、大気中の温室効果ガスの濃度上昇などに起因していたかどうかという問いかけは的を射ていない。しかし、人間活動によってこのような熱波が発生する危険性が増大したかという尺度から評価することは可能である。このような考え方に基づいて、我々は、人間が引き起こす大気中の温室効果ガスや汚染物質の濃度上昇が、ヨーロッパ大陸の広い範囲にわたって夏の平均気温が異常上昇する危険性にどの程度寄与しているかを評価した。夏の平均気温の閾値として、1851年に計測器による観測記録が開始されて以来、2003年以外のどの年にも超えることのなかった閾値を用いて評価したところ、人間活動の影響によってこの閾値を超える規模の熱波の危険性が少なくとも2倍になった可能性が非常に高い(信頼水準が90%を超える)という結果が得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る