Letter

生理:伝書鳩における磁気感知と三叉神経によるその媒介

Nature 432, 7016 doi: 10.1038/nature03077

伝書鳩がどのようにして非常に遠方から自分の禽舎に帰還できるかについては、相反する2つの仮説が存在する。一方の仮説は、ハトが大気中の臭い物質を利用しているとするものだが、もう1つでは、ハトの帰巣の「地図とコンパス」 仮説の「地図」を形成するステップで、ハトが地球の磁場を利用していると考えられている。磁気のハトの定位への影響は、「磁気地図」を使っていることの間接的な証拠となっているが、条件付け実験の多くで、ハトの磁場に対する再現性のある応答は実証されていない。このことから、伝書鳩などの鳥類は地球の磁場に対して実質的な感受性を持たないのではないかと考えられている。今回我々は、ドバト (Columba livia)が条件付き選択実験において、磁気異常の有無を区別できることを示す。この区別は、蝋膜への磁石取付け、上嘴部分の局部麻酔および三叉神経眼神経枝の両側切除により減退したが、嗅神経の切除では減退しなかった。これらの結果は、(おそらくは磁鉄鉱に基づいた)磁気感知がハトの上嘴部分で生じていることを示唆している。したがって、伝書鳩の嗅覚を奪う従来の手法は、同時に磁気感知の減退を引き起こしている可能性があり、今後の定位実験ではハトの磁気感知系と嗅覚系の評価を独立に行うことが必要であろう。

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