Letter

量子物理:光に対する量子メモリーの実証実験

Nature 432, 7016 doi: 10.1038/nature03064

現代の通信の情報キャリアー、すなわち微弱な光パルスは本質的に量子系である。このため、光パルスのすべての情報を古典メモリーへ完全に記録することは原理的にできない。量子情報分野では、独立に生成した光量子状態を原子量子状態へと高い忠実度で転送する技術をいかにして実現するか、長い間挑戦が続けられている。本研究では、このような原子集団を利用した量子メモリーのプロトコルを提案し、実験により証明した。原子量子メモリーに外部から与えた光量子状態は70パーセントの忠実度で記録することができた。これは古典的な記録方法による限界値よりかなり高い値である。光量子状態の保持は3つの段階で実現した。まず、入力パルスそして量子もつれを起こす場をスピン偏極したセシウム原子と相互作用させ、続いて透過光を測定し、最後にその測定結果に応じた高周波磁気パルスを使ってこれら原子へのフィードバックを行う。記録した状態の密度は、光を原子へ古典的な方法で記録した場合の最良値より33パーセント高く、量子メモリー寿命は4ミリ秒に達した。

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