Letter 生態:ジャガイモの多様性中心地における環境生物安全性と遺伝子組換えジャガイモ 2004年11月11日 Nature 432, 7014 doi: 10.1038/nature03048 ナフィールド生物倫理審議会は、作物の生物多様性の中心地における近縁種への遺伝物質の移入は、発展途上国における遺伝子改変作物の使用禁止を正当化するのに十分な理由とはいえないと考えている。この審議会は、あり得る利益を捨てるような予防的措置は、何もしないこと自体は貧しい人々にリスクを与えないという誤った考えを引き起こすと考えているのである。本論文では、ジャガイモの多様性の主な中心地である中央アンデスでの、遺伝子改変ジャガイモの環境生物安全性について、上記の問題その他に関する知見を報告する。我々は、アンデスの栽培種ジャガイモの主要な害虫である線虫に耐性を示す遺伝子改変ジャガイモクローンについて調べた。その結果、多くの非標的生物には害がないが、栽培種ジャガイモの近くで生育する近縁野生種への遺伝子流がみられることがわかった。安定な遺伝子移入が結果的に生じるならば、これらの野生種の適応度が変化する可能性がある。そこで、雄性不稔品種Revolucionの形質転換を近縁野生種への安定な遺伝子移入の可能性が確定できるまで行い、遺伝的に改変された線虫耐性ジャガイモを作出して遺伝子改変の利益を評価した。このように、科学技術は予防原理を損なわずに向上させることができるのである。 Full Text PDF 目次へ戻る