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進化:有蹄類では性選択が老化の「使い捨ての体」説に関与する

Nature 432, 7014 doi: 10.1038/nature03004

老化は、現在の繁殖への投資と、将来の繁殖に必要な体の修復過程とを最適に釣り合わせた結果だとみられるが、これは1つの理論的な推測であって、大型で寿命の長い動物では特に証明が難しい。今回我々は、一生の早い時期に寸法が決まるものの咀嚼中に磨耗する歯が、一生の全「修復」量を見積もる尺度となり、またその磨耗率が身体成長への現在の支出量を見積もる尺度となりうることを提案する。また、雄では雌に比べて老化が早く訪れることを調べるために、性選択の過程も考えた。つまり、交配をめぐる競争に有利に働く選択が、雄の生殖寿命を短くさせる場合である。アカシカ(Cervus elaphus)のさまざまな年齢の雄2,141頭と雌739頭の死体を調べたところ、雄の臼歯型の歯は体サイズの二型性から予想されるよりはるかに小さいサイズで生えていた。これにより雄では雌に比べて歯の仕事量が大きくなり、磨耗率が高くなり、消耗が早まることになり、一生涯の身体成長や繁殖に見られる性特異的なパターンとの符合がみられる。これらの知見は、老化の「使い捨ての体」説を実験的に裏づけるものだ。この説の予測によれば、体の修復への投資から得られる見返りが、生存や繁殖を制限するような他の素因の結果として実現される可能性がない場合には、投資は減少する。

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