Letter 進化:哺乳類の歯の特徴は互いに独立性がない 2004年11月11日 Nature 432, 7014 doi: 10.1038/nature02927 哺乳類の進化の研究では歯から得られたデータがよく使われる。歯の特徴は、歯しか見つからないことが多い化石分類群の系統発生的な類縁関係を推測するうえで特に重要である。系統発生的な目印として歯の形態の異なる側面を利用するのは、歯の特徴が互いに独立していると考えられるからである。しかし今回我々は、少なくとも発生上は、歯の大部分の特徴に独立性がない可能性があることを示す。我々はマウスで、細胞のシグナル伝達タンパク質であるectodysplasin(Eda)の3つの異なるレベルが歯の特徴にどのような変化を与えるかを調べた。この1つの遺伝子の発現が増大すると、咬頭の数が増え、咬頭の形状や位置が変化し、縦走する隆線ができ、歯の数が増えた。咬頭の外側への配置と関連する特徴の一貫した変化は、歯冠形成開始時の初期シグナル伝達中心の形成におけるわずかな違いにまでたどることができる。今回得られた結果は、歯の形状の大部分が進化に際して相関して変化するような発生能力を秘めており、これを考慮に入れなければ系統発生史の解明が混乱する可能性があることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る