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生化学:ヒドロゲノソームの酸化還元酵素複合体中の非ミトコンドリア複合体Iタンパク質

Nature 431, 7012 doi: 10.1038/nature02990

腟トリコモナスTrichomonas vaginalisは単細胞の微好気性真核生物で、ミトコンドリアをもたないが、それに代わる細胞小器官ヒドロゲノソームをもち、ピルビン酸代謝を行う。ミトコンドリアとヒドロゲノソームの代謝経路は相当異なり、ヒドロゲノソームではピルビン酸の酸化を触媒するのはピルビン酸:フェレドキシン酸化還元酵素(PFOR)で、電子が[Fe]-ヒドロゲナーゼに渡されて水素が発生する。ATPはすべて、ヒドロゲノソームにおける基質レベルのリン酸化によって生成し、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化とは対照的である。PFORとヒドロゲナーゼは真正細菌、ミトコンドリアをもたない真核生物に見られるが、通常のミトコンドリア中には見られない。ミトコンドリアゲノムの解析から、ミトコンドリアは、細胞内共生したα-プロテオバクテリア型の祖先という単一起源をもつことが示唆されている。トリコモナスのヒドロゲノソームにはゲノムが存在しないために、このような比較ができず、ヒドロゲノソームの細胞内共生の歴史は解明されていない。いくつかのタンパク質の系統学的な再構成からは、トリコモナスのヒドロゲノソームとミトコンドリアの起源が共通することが示唆されているが、タンパク質によっては異なる結果も出ている。本論文では、呼吸複合体Iのまったく新しいNADHデヒドロゲナーゼモジュールについて報告する。このモジュールは、ヒドロゲノソームの中心的な発酵経路と共役して、キノンに依存せずに機能するヒドロゲノソーム酸化還元酵素複合体を形成する。ヒドロゲノソーム複合体I類似のタンパク質Ndh51とNdh24の系統学的解析から、これらはどちらもミトコンドリアの相同体と共通の起源をもたないことが明らかになった。これらの結果は、トリコモナスのヒドロゲノソームが、ミトコンドリアの祖先にあたる細胞内共生体を起源として「垂直的に」生じたとする見方に異議を唱えるものである。

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