Letter 技術:シリコンチップにおける光の全光学制御 2004年10月28日 Nature 431, 7012 doi: 10.1038/nature02921 光ビームで別の光ビームの方向を制御するフォトニック回路は、大規模集積した光通信部品を開発する上で長年の目標になっている。さらに、このような回路のプラットフォームとしては、マイクロエレクトロニクス産業の主要な材料であるシリコンを使うことが望ましい。光を曲げ、分割・結合し、そしてフィルタするフォトニック構造が最近シリコンで作製されたが、この構造では光の流れは予め決められており、また、動作中、すばやく変調できない。全光学スイッチおよび変調器がIII‐V化合物半導体を使って作製されているが、これと同じ機能をシリコンで実現するのは、シリコンが比較的弱い非線形光学特性しか持たないため難しい課題である。実際、シリコンの全光学スイッチングは、変調光が面外に伝播する大型、あるいは非平面型の構造において極めて高いパワーを使った場合のみ実現されている。このような高いパワー、大きい寸法、そして非平面型の構造は高密度のオンチップ集積に適していない。本研究では、強く光を閉じ込めた構造を使って小さな屈折率変化に対する光感度を増強する、シリコン上の高速な全光学スイッチングを実験により実証した。この構造の透過率は、25pJの低いエネルギーの光パルスを使い、500ps以内に最高94%まで変調できる。以上の結果から、最近、理論的に予言されたシリコンの共振器構造を使った高効率の光スイッチングが確かめられた。 Full Text PDF 目次へ戻る