Article 遺伝:ヒトゲノムユークロマチンの全塩基配列解読の完了 2004年10月21日 Nature 431, 7011 doi: 10.1038/nature03001 ヒトゲノムの塩基配列は、ヒトの生理機能にかかわる遺伝的指令と共に、ヒトの進化に関する豊富な情報をコードしている。2001年に、国際ヒトゲノム配列決定コンソーシアムはヒトゲノムのユークロマチン領域の概要配列を発表した。以後、国際的協力により、この概要版を精度の高い、ほぼ完全に全体をカバーするゲノム塩基配列に書き換える取り組みがなされてきた。本論文では、この解読完了過程の結果について報告する。今回解読完了したゲノム(Build 35)は28億5,000万塩基対からなり、わずかに341か所のギャップが残るだけである。これはユークロマチンゲノムの約99%をカバーし、エラー率は10万塩基対あたり約1個という精度である。ユークロマチンにまだ残されているギャップの多くは分節の重複に関係しているため、新たな手法による的を絞った解析を必要とするであろう。このほぼ完全な塩基配列は、脊椎動物では初めてのものであり、遺伝子の数やその誕生と死に関する研究などの生物学的解析の精度を大きく向上させるものだ。とりわけ、ヒトゲノムにはタンパク質コード遺伝子がわずか2万から2万5千個しかないと思われることは注目に値する。今回報告するゲノム配列は、この先数十年間にわたる生物医学研究の確かな基盤となるべきものである。 Full Text PDF 目次へ戻る