Letter 化石:シルル紀のウミグモ類 2004年10月21日 Nature 431, 7011 doi: 10.1038/nature02928 ウミグモ類は現生種数およそ1,160の海生節足動物で、世界に広く分布し、6,000 mの深海に棲むものもあり、局所的ながらも栄えている。しかし、通常その体のつくりは繊細で、生体鉱物形成作用によらないクチクラであるため、化石記録はきわめて貧弱で広く認知されるに至っていない。ウミグモ類の系統分類上の位置づけについては現在2つの対立する見解がある。つまり、鋏角亜門に含まれ、真鋏角類(Euchelicerata)の姉妹群とする見方か、もしくは他のすべての真節足動物(Euarthropod)の姉妹分類群とする見方である。英国のヘレフォードシャーにあるシルル紀のKonservat-Lagerstatte(現在より約4億2500万年前の年代)からは、非常に保存状態のよい立体感の残る化石類が出土しており、これらは多様な無脊椎動物の古生物学を知るうえで他に類をみない貴重な手がかりとなる。これらの化石は、火山砕屑物からなる層準内の炭酸塩団塊中に、方解石の空隙充填物の形で保存されており、デジタル的に復元できる。本論文では、この堆積物内から見つかった新種のウミグモ類について報告する。これは従来の年代記録をおよそ3,500万年上回る最古のウミグモの成体化石であり、最も完全な情報の得られた化石種である。鋏のある大きい第1付属肢はウミグモ類の鋏角類との類似性と一致する。分岐分析によれば、この新種はウミグモ類の現生群系統の根元部分近くに位置づけられ、これは現生ウミグモ類がシルル紀までに出現していたことを意味する。 Full Text PDF 目次へ戻る