Letter 生態:適応放散モデルでは生態環境が多様化に制約をかける 2004年10月21日 Nature 431, 7011 doi: 10.1038/nature02923 分類群の多様化は一般に適応放散により起こり、1つの系統がさまざまな生態上のニッチにそれぞれ適応した幅広い遺伝子型または種へと急速に進化していく。放散の大きさ(新しく出現する型の数で測る)は、系統分類上の別の分類群同士で大きく差があり、また、利用可能な生態面の好機が同じだと思われる単一分類群内の反復放散の間でも大きく違う。今回我々は、実験室条件に適応して放散をした単一系統の蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)では、エネルギー入力(生産力)と環境撹乱の変動が組み合わさって多様化の程度を決定づけることを報告する。多様性は、よく知られた生態的パターンのような様式で、生産力も撹乱も共に中間値であるとき最高となり、極値に向かって下降した。この多様性減少の原因となる機構は、ニッチの特殊化に伴う多面発現的な適応度コストに起因するもので、このコストの影響は生産力と撹乱の勾配により微調整される。我々の得た結果から考えると、生態面の好機が訪れて多様化へ向かう強い選択があっても、生態条件の勾配があるために、進化における多様化が生態における多種共存へとつながらず、適応放散の大きさに制約がかかるのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る