Letter 進化:進化が不均一な場合の最節約法および最尤法での系統解析の実効性 2004年10月21日 Nature 431, 7011 doi: 10.1038/nature02917 比較生物学における推論はすべて、進化上の類縁関係を示す推定値の精度に左右される。最近の系統解析研究の関心は、最節約法から離れ、最尤法やベイズ型マルコフ連鎖モンテカルロ法(BMCMC)といった確率論的手法に向いている。これらの確率論的手法は、統計系統学を扱うパラメトリックな取り組み方である。というのは、1つの樹状図トポロジーを評価する基準、つまりその樹状図を仮定した場合のデータの蓋然性は、データがまったく均等に分布すると仮定した明示的な進化モデルに関して算出されるからである。最節約法はノンパラメトリックだと考えることができる。それは、樹状図の評価が、特異な分布を仮定せず、ある想定する樹状図についてデータを生成するのに必要な最少の形質状態変化という一般的計測基準を元になされるからである。パラメトリックな手法への移行に拍車がかかることになった主因は、どちらの手法もたいがいの場合うまく機能するものの、最節約法は分枝の長さが特定の組み合わせになると不正確な樹状図を復元させるよう強く偏向してしまうのに対して、最尤法はそうではないことを示した種々の研究成果にある。こうした評価はすべて、データがどこでも等しく分布するほぼ均一な進化過程によって塩基配列をシミュレーションしたものだった。だが、現実世界の遺伝子の塩基配列は不均一に進化し、また分布が等しくならないことを示す証拠は十分に得られている。今回我々は、塩基配列部位が進化する速度が時間経過につれ非均等に変化していく場合、最尤法やBMCMCは大きく偏向して統計的に首尾一貫性がなくなりうることを示す。最節約法は、適度の不均一性や普通は難しくないと考えられるような系統発生上の問題といった広範な検証条件で、現行のパラメトリックな手法よりも実質的に優れた結果を出してくれる。 Full Text PDF 目次へ戻る