Article 遺伝:ヒトゲノムのセントロメア移行領域の構造と進化 2004年8月19日 Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02806 セントロメアへと変化する領域がどのような編成になっているかを理解することは、染色体の構造と機能を考える上で重要な側面である。しかし、ゲノム配列概要版に基づいてこれらの領域の配列の相互関係を捉えるのは難しい。本論文では、ヒトのセントロメア周辺領域すべて(5メガ塩基)の構造と構成を詳細に解析する。染色体腕の大半(43のうち35)は、セントロメアに近付くと徐々に転写の多様性が低下し、それに伴って染色体間での重複が増加している。セントロメア移行領域の構造の少なくとも30%は、真正クロマチンの遺伝子を含んだDNA分節から生じている。これらのDNA分節は、霊長類の進化の過程で数百万年間あたり6〜7回という速度で、重複にともなってセントロメア周辺領域へと移動してきたものである。この過程で、エキソンの外適応とエキソンシャッフリングによって最少でも28種の新しい転写産物が形成されることとなった。その多くは、主として睾丸で発現される。これらの重複した分節の分布はセントロメア周辺領域内ではランダムでないことから、一部の領域が優先的に真正クロマチンDNAを受け容れたことが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る