Letter

医学:SNF-6は線虫Caenorhabditis elegans のジストロフィン複合体と結合するアセチルコリン輸送体である

Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02798

筋ジストロフィーはヒトの遺伝病の中でも最も多いもののひとつで、進行性の筋変性を特徴とする。筋ジストロフィーは、筋細胞の細胞膜に見られるジストロフィン−糖タンパク質複合体(DGC)の成分に遺伝的欠陥があるために起こる。DGCは細胞内の細胞骨格と細胞外マトリックスを結びつけ、筋肉の力学構造を維持し、シグナル伝達のうえで重要と考えられている。しかし、DGCが病気の発症においてどのような役割を果たすかは正確にはわかっていない。線虫のDGC遺伝子に変異があると、協調運動に特異的な異常が生じ、筋肉の変性も起こりうる。本論文では、snf-6遺伝子が変異するとDGC変異体と区別のつかない表現型が生じることと、snf-6がコードするのは新しいアセチルコリン/コリン輸送体であることを明らかにする。SNF-6は、シナプス活性が上昇しているときの神経筋接合部でのアセチルコリン取り込みに関与する。またSNF-6はDGCと結合するので、DGC遺伝子の変異によって、神経筋接合部のSNF-6の消失が引き起こされる。アセチルコリンの除去がうまく行かず筋肉の興奮が長期化することが、筋ジストロフィーの発症に結びつくのかもしれない。

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