Letter 生化学:転写因子Yap1局在化の酸化還元による調節の構造基盤 2004年8月19日 Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02790 生物にとって、環境の変化に応じて遺伝子発現パターンを変えられる能力は、生存に不可欠である。酵母Saccharomyces cerevisiaeの酸化ストレスに対する応答の主要な調節因子は、転写因子Yap1である。Yap1は、反応性酸素分子種の濃度上昇によって活性化されると、速やかに核へ再配置され、70個に上る遺伝子の発現を調節する。今回我々は、Yap1の酸化還元調節ドメインを同定し、溶液中での構造を高分解能で決定した。活性を持つ酸化型では、カルボキシ末端のシステインの多いドメイン中にある核外輸送シグナル(NES)が、よく保存されたアミノ末端のαヘリックスとのジスルフィド結合を介した相互作用によって隠されている。N-末端のαヘリックスとC-末端のNES含有ドメインとの疎水性相互作用を弱めるような点突然変異が起こると、酸化還元によって調節されるYap1の細胞内の位置変化が起こらなくなる。ジスルフィド結合が還元されるとYap1は崩れたコンフォメーションへと変化し、NESが露出して細胞質へと再配置される。これらの結果から、酸化還元に依存して起こるYap1の局在化の構造基盤が明らかになり、転写因子が可逆的な分子内ジスルフィド結合形成によって調節される、これまで知られていなかった機構を示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る