Article 気候:淡水放出と海洋循環を媒介とした南北両半球間の氷河気候の強い関連性 2004年8月19日 Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02786 最終氷期の気候は変動の激しいものだった。北半球では突発的温暖化事象がこの期間を特徴づけていた一方で、南極での温度変化や全球的な海面変動はより緩やかに進行していた。千年スケールで起きたこの気候変動が海洋の熱塩循環の急激な変化に起因していたことは広く受けいれられている。本論文では大気海洋海氷結合モデルを用いて、熱塩循環の減少に加えて、北大西洋への淡水の放出が南洋の温度に直接影響を及ぼすことを示す。この放出に付随してみられる海洋中の南向き熱輸送の変化をもたらす要因は、波動が関わる速い調節過程によって形成される北大西洋亜熱帯域の東西密度勾配である。我々は、拡張かつ定量化した二極性のシーソー説を提唱する。この説によって、グリーンランドと南極の温度変化のタイミングと振幅、南極の緩やかな温度変化、およびその変化と海面変化との類似性について説明がつき、海洋酸素同位体ステージ3の期間中に南極の温度変化に対して海面変化に時間的な位相遅延が生じていた可能性も説明される。 Full Text PDF 目次へ戻る